ホントの魔法は意外と地味だ
「リズ、魔界の話をしても大丈夫。」
 ダイアナが心配そうに話しかける。
「無理しなくていいよ。」
 リチャードも言った。
「大丈夫よ。こうなったら全部話すわ。ネット上で魔界の話が都市伝説として出てくるかもしれない。」
 エリザベスが知ってることはそれほど多くない。隠さずに話すことにした。
「姉が亡くなった日、魔界に行ったのは5人。姉とボブ、そしてMI5.5(ファイブハーフ)の 捜査官。それにボブのアシストが二人。でも私には姉とボブが魔界に行ったとは思えないの。その日の予定は訓練の記録会としか聞いてなかったから。」
「そうなのか。事故じゃなくて事件っぽいね。」
「それで姉だけが遺体で戻ってきたの。私は見なかったけど父と母に言わせると龍に内臓を喰われてしまったということだったわ。」
「えっ龍って人間を食べるの。じゃあ(ドラゴン)も食べるかもね。人を食べるのって何かもっと邪悪な生物みたいな気がするんだけど。」
「 何度尋ねても調査中だってことになってるの。私が知っているのは攻撃されたのが姉とボブ。姉は龍に咥えられた時、ボブに〈逃げて〉って言って、ボブは一旦体勢を立て直そうと退却しようとしたら爪で襲われたみたい。でも違うと思う。ボブなら絶対に命かけてでも姉を守ってくれたはず。」
「ボブには何も聞かなかったの。」
「〈今は話せない。〉って言ってた。そして〈もう少し時間が経って俺が生きていたら必ず話す〉って。」
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