【完】君に惚れた僕の負け。
「てか、女なんかに守られたくないんですけど」


俯き気味な朱里くんが文句っぽく言った。


女なんか、ですってぇ?


だとしても。



「年上が年下を守るって考えれば変じゃないでしょ」



「出た。またそれ」


「ん?」


「別に。じゃあ、命がけで俺のこと守ってね」



命がけ……できるかな……。


でも重々しい声と視線に覚悟は決めた。



「うん、わかっ」「いらねーよ、バアアアアアカ」



……えっ、むかつく。


声の出し方も忘れるほどむかつくんだけど……。


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