【完】君に惚れた僕の負け。

「恋々って、アルファベット読めないんだっけ」


「アルファベット?」


「マグカップに書いてあった、PAPA MAMAっていう文字の意味ってわかる?」


「え?」



「それが置かれてた陳列棚の”出産祝いコーナー”って文字の意味もね」



「え?……っ、」



朱里くんが、あたしのお腹にそっと手をあてた。




「元気な赤ちゃん産んでね?」



プっと噴き出した朱里くんは、肩を小さく震わせている。


< 111 / 421 >

この作品をシェア

pagetop