【完】君に惚れた僕の負け。
そんなこんなで、家に帰って寝る支度まで済ませたあたしは、封印しようとしたマグカップをこっそり取り出した。


朱里くんはお風呂だから、今のうちにこっそりとどんなものを買ってしまったかだけ確認しときたい。



ダイニングテーブルに並べて、椅子に座り身をかがめて、マグカップに目線をあわせながら眺める。



あ、すごい。
PAPAマグとMAMAマグの取っ手を重ねて組み合わせるとBABYの文字が浮き上がるんだ。



ベイビー……。



おもわず額に手を当てる。



「なんてものを……」



買っちゃったんだ……。


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