【完】君に惚れた僕の負け。
「オレの彼女すっげー従順なのね」
1-4の教室。
いつもなんとなくつるんでいる輪の中で、最近彼女ができたことでご機嫌な橋田という男が自慢げに言った。
「橋田の彼女って駅裏のお嬢様高校の子だっけー?いいなぁー、合コンしようぜ」と周りも盛り上がる。
具体的に話が進んでいくのについていきはしないけど。
従順ってどんなの?
「それって尽くすってこと?」
橋田に聞いてみたら「そうそう。なんでもしてくれるよ。あいつオレのことめちゃくちゃ好きだから」。
「へー、」
がちのまじの自慢されすぎて白けるわ。
「やっぱ男子って、一歩下がって男を立てるみたいな女子のほうがいいのー?」
間延びした声をだす女子生徒の間宮 奈々は、頭からつま先まで女子力で磨いているような子。化粧もしっかり、髪も爪もしっかり。
天然素材な恋々と正反対。