【完】君に惚れた僕の負け。

(SIDE 朱里)


俺は耳を疑ったね。


「……人生初?」



俺と恋々、何回もふたりで出かけてるけど。



それはデートにカウントされないわけ。



いやそんなことどうでもいい。



「恋々……彼氏できたの?」



深海よりも暗い声が出た。



「ううん。デートの練習!」



……デートの練習。



「いや、意味わかんない」



てかそのふざけた顔面やめて。真面目な話をしよう。

べり、と顔に張り付いた白いパックをはがした。



< 145 / 421 >

この作品をシェア

pagetop