【完】君に惚れた僕の負け。
(SIDE 朱里)
俺は耳を疑ったね。
「……人生初?」
俺と恋々、何回もふたりで出かけてるけど。
それはデートにカウントされないわけ。
いやそんなことどうでもいい。
「恋々……彼氏できたの?」
深海よりも暗い声が出た。
「ううん。デートの練習!」
……デートの練習。
「いや、意味わかんない」
てかそのふざけた顔面やめて。真面目な話をしよう。
べり、と顔に張り付いた白いパックをはがした。