【完】君に惚れた僕の負け。
「だって……朱里くんが」
もごもご言ってて聞こえねーな。
「なに?」
「……朱里くんが、女の子と」
いらいらするなぁ。
「はっきり言えよ」
「朱里くんが、この前のお昼休みに!女の子とデートするって喋ってるの偶然聞いちゃって!だから……あたしもって思うじゃん」
つんっと尖った唇。怒りっぽい声。
「え……それって、恋々」
――妬いてるよね?
心臓が期待に揺れる。
「なんで俺が女子とデートしたら悪いの?」
にやり、突然上機嫌になっていく自分に気づいた。
でも。
「朱里くんの方が後輩なのに、あたしより進んでるなんて悔しいもん……」
――期待。
その二文字がこんなにあっさりと墓場に葬られる。
「……いや、妬けよ」
むかつくなぁ。
何で俺以外の男とでかけるために、めかしこんでんの?
恋々の隣、ソファに座って、小さい顎をガシっと掴んだ。
「ねぇ、恋々」
もごもご言ってて聞こえねーな。
「なに?」
「……朱里くんが、女の子と」
いらいらするなぁ。
「はっきり言えよ」
「朱里くんが、この前のお昼休みに!女の子とデートするって喋ってるの偶然聞いちゃって!だから……あたしもって思うじゃん」
つんっと尖った唇。怒りっぽい声。
「え……それって、恋々」
――妬いてるよね?
心臓が期待に揺れる。
「なんで俺が女子とデートしたら悪いの?」
にやり、突然上機嫌になっていく自分に気づいた。
でも。
「朱里くんの方が後輩なのに、あたしより進んでるなんて悔しいもん……」
――期待。
その二文字がこんなにあっさりと墓場に葬られる。
「……いや、妬けよ」
むかつくなぁ。
何で俺以外の男とでかけるために、めかしこんでんの?
恋々の隣、ソファに座って、小さい顎をガシっと掴んだ。
「ねぇ、恋々」