【完】君に惚れた僕の負け。
「なんで俺のことは男としてみないの?」
まじで教えて。
「目ぇそらすなよ」
「だ、だって……」
「俺と今までしたのはデートじゃないんだ?」
「デートなの?!」
目からうろこ!みたいな顔してんじゃねーよ。
どんだけ恋愛対象外?
ちょっと確認しますけど、
「俺は、恋々の弟じゃないよね?」
「うん……」
「どうしたら男って思ってくれんの?」
「ち……っ、ちかいってば」
ドンっと胸を突き飛ばされて距離が開いた。
視界の真ん中に、恋々の困惑で溢れた真っ赤な顔。
「……朱里くんは男子でしょ?わかってるよ……っ。何言ってるの?」
「そういう意味じゃねーんだよ。ほんとムカつく……」
俺が男だって、思い知れよ。
「きゃ」
細い肩を押して、ふたり、ソファに倒れ込む。