【完】君に惚れた僕の負け。
ソファにたおされて、ふわりと長い髪が広がる。


湯上りの甘い匂い。



もしもこんな恋々をほかのだれかに見られる日がきたら、とか。



そういうことを一瞬考えて、奥歯をギリッとかみしめた。



……むかつく。



「俺は、ほかの男のために可愛くなろうとする恋々が見たくない」



「え……?」



「俺以外の男んとこ、のこのこ行ってんじゃねーよ」



ちゅう、と首にキスする。




「……んっ、これ、やだ……」


「やだとか言って、抵抗しないじゃん」


この前は腕抑えてたけど、今は俺、恋々の体にふれてもないよ。



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