【完】君に惚れた僕の負け。
女子トイレから出ると、この蒸し暑い廊下で、池田くんとふうちゃんがうちわ片手に開けっ放しの窓の外を眺めていた。
「何見てるの?」
「可愛い子いないかなぁって」
「だと思った」
ふうちゃんは万年それだ。
彼女いようがいまいがそれだ。
そしてそんなふうちゃんに付き合う池田君はたいしたものだと思う。
「ふうちゃんの女好きに付き合って、池田君も大変だね」
あたしがねぎらうと、池田くんは「へーき。慣れてる」と笑う。
寛大だ。このひとにならヒナを任せられる。
そう思って一人頷くと、ふうちゃんが文句っぽく言った。
「女好きって人聞きわるいなぁ~」
ぶちゅー。
伸びてきたふうちゃんの両手があたしの頬をおもいっきりつぶす。
「……ぶはっ、タコだ」
じゃない!
「何見てるの?」
「可愛い子いないかなぁって」
「だと思った」
ふうちゃんは万年それだ。
彼女いようがいまいがそれだ。
そしてそんなふうちゃんに付き合う池田君はたいしたものだと思う。
「ふうちゃんの女好きに付き合って、池田君も大変だね」
あたしがねぎらうと、池田くんは「へーき。慣れてる」と笑う。
寛大だ。このひとにならヒナを任せられる。
そう思って一人頷くと、ふうちゃんが文句っぽく言った。
「女好きって人聞きわるいなぁ~」
ぶちゅー。
伸びてきたふうちゃんの両手があたしの頬をおもいっきりつぶす。
「……ぶはっ、タコだ」
じゃない!