【完】君に惚れた僕の負け。
「その甲斐あって、おじさんもおばさんも15年分の俺を評価してくれたよね」
どきどきどきどき。
男慣れのおの字も知らない心臓は速まっていくばかり。
ごつん、とあたしの額に、彼の額がぶつかる。
ひぇぇ……!!
「ねぇ恋々、聞いてんの?」
くつくつと笑い、肩を揺らす朱里くん。
しゅ、朱里くんの、女ったらし……っ!
あ、やばい、くらっとしてきた。
「海外なんかに恋々をやるわけねーじゃん」
だから最後の小さい声はよく聞こえなかった。
1.はじまった同居生活
(全部、俺の計画どーり。)