【完】君に惚れた僕の負け。
7月。
期末テスト期間の休日の今日、大変なことになったの。



「朱里くん、大丈夫?」


「移ると悪いから、出てって……」



――39.4度。
恐ろしい数字を叩きだした体温計を仕舞った。



朱里くんはベッドで布団に包まってがたがたと震えている。


これ以上布団かけたら窒息しそうなくらいかけてるし。



「寒いんだよね?」


「……うん」


「一緒に寝ようか?」



ちょっと恥ずかしいけど、中学生のときみたいに。



「……馬鹿なの?まじで出てって。勉強でもしてろ」



「っ!……ひどい」



こっちは厚意で言ったのに。



でもそんなに言うなら、そっとしておくのが一番の親切なのかな。



「なにかあったら呼んでね」


「……はいはい。じゃーね」




迷惑そー。


具合悪いんだもん、しかたないか。


悪いことしちゃったな。




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