【完】君に惚れた僕の負け。
目をそらしがてら窓を閉め切った。
「換気なんかいいよ。部屋のドアだってしまってるのに、移るわけないよ」
「でも恋々が高校受験の冬、風邪ひいた俺の部屋にちょっと来ただけで移っただろ」
「あれは……」
朱里くんがキスしたからでしょお!?
チャコっていう猫……か、犬と間違って……。待って。
――チャコ。
亜瑚。
電話してるときに聞こえた元カノさんの名前。
もう一度韻を確認してみる。
チャコ、亜瑚。
……もしかして。
「朱里くんって中学二年のとき、亜瑚ちゃんのこと好きだった?」
「換気なんかいいよ。部屋のドアだってしまってるのに、移るわけないよ」
「でも恋々が高校受験の冬、風邪ひいた俺の部屋にちょっと来ただけで移っただろ」
「あれは……」
朱里くんがキスしたからでしょお!?
チャコっていう猫……か、犬と間違って……。待って。
――チャコ。
亜瑚。
電話してるときに聞こえた元カノさんの名前。
もう一度韻を確認してみる。
チャコ、亜瑚。
……もしかして。
「朱里くんって中学二年のとき、亜瑚ちゃんのこと好きだった?」