【完】君に惚れた僕の負け。
「おいおい、どうした?なんでそんな不安そうな顔してんの?」
「ねぇ今、幻覚みえてない?」
「はぁ?見えてないけど」
「変なものが見えたら危ないから、あたしここにいる」
そうなったらすぐに病院に担ぎ込もう。
あたし、朱里くんを絶対まもるから。
意気込んでいると「部屋もどれ。風邪移るって言ってんだろ」と怒られた。
もう!
朱里くんには危機感がなさすぎる。
これは仕方ない。命にかかわることだから、あの日朱里くんの頭がおかしかったことを正直に伝えよう。