【完】君に惚れた僕の負け。
……。でも。



あたしと朱里くんが離れてた1年の間に朱里くんは彼女なんか作っちゃってさぁ……。



いいご身分だよねぇ。



「ね、亜瑚ちゃんって可愛いの?」



「なにいきなり。そこそこじゃね?」



朱里くんの言うそこそこは超絶美人。


へぇ、そっか。



「朱里くんって面食いなんだ」



つんっとした声が出た。



別にひがんでるわけじゃない。断じて、ない。



「顔で選んだわけじゃねーよ」



「じゃあどうして付き合ったの?」



「おー、それ聞く?」


もったいぶらないでよ。



「ちょうど中3の時に俺、好きな子に避けられてたんだよね。で、俺傷心じゃん?

そこに付け込まれたよね。……だって亜瑚のアホっぽさが好きな子とちょっと似てたから」



「ふーん……」



アホとか、普通好きな子に言う?


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