【完】君に惚れた僕の負け。
「朱里くん、どうかした?」


今日もごきげんな口角だな。



「あれ、眉間にしわ……。もしかして高校入学が不安? 大丈夫だよ。うちの高校って穏やかな人が多いし、それにあたしもついてるよ」



とつぜん先輩風 吹かせてくるとこが嫌。




「うざ。着替えてくる」

「じゃあ朝ごはん作るね。朱里くんの好きなエッグトースト!だから元気出して?」



ぽんぽん、簡単に背中を叩いてくる小さな手。


可愛いこと言ってくるとこが嫌。



「朝飯いらない」


「そんなこといってるからそんなに細いんだよ」


「もっとガタイいい男の方が好き?」


「んー。あたしは朱里くんくらいの細くてスタイルいい方がスキかなぁ?」



知ってる。お前の好みくらい、全部。



俺を全然好きにならないとこが嫌。



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