【完】君に惚れた僕の負け。
「……えぇ?こんなに可愛いのに。クレーンゲームで見つけて一目ぼれしたんだよ?」
「性格わるそーな顔としか思えない」
たしかに、いたずらっぽく笑ってるし、ちょっと意地悪そうだけど。
「でも、なんかこう……胸の奥にきゅんと来るものがあるじゃん」
「センス朽ちてんな」
「もー……!口悪いんだから……」
むっと睨んだ先、朱里くんはいたずらっぽく笑っていて。
あたし、ハッとした。
「あぁ!そっか!このレッサーパンダ、朱里くんに似てるんだ!」
「……はぁ!?」
「だからこんなに愛くるしいし、愛しいんだ……」
なるほどなぁ……。
抱き枕をじっと見つめているうちに、目が細まる。
「うん、やっぱりすごく可愛い……」
ふわふわのレッサーパンダをぎゅうっと抱きしめて顔をうずめる。