【完】君に惚れた僕の負け。
「えーっと……。恋々、それどういう意味?」



首を傾げて、どこかを見ながら、朱里くんはほのかに赤らんだほっぺで聞く。



「どういうって?」



「だからそいつが愛くるしいどころか“愛しい”って恋々が思うのは、俺に似てるからっていうことでいいんだよな?」



「うん」


「きゅんとくるものがあるんだよな?
俺に似てる(●●●●●)から」



「うん……」


と頷いてから、ハッとした。



「……っ、や!違うの!そういう意味じゃなくて……っ!」



ぶんぶんぶんぶんと大きく首を横に振る。



慌てるあたしを見て、朱里くんはにやり、口角を上げて。



「えー。でも今そう言ったじゃん?」



だなんて、あたしを煽る。

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