【完】君に惚れた僕の負け。
つーっとくすぐったいくらい優しく頬を指先がつたって、あたしの赤面に拍車をかける。
「……っ、ばかぁ!」
「俺に似てるから欲しくなって?クレーンゲーム頑張ったわけだ?」
だから近いんだってば……っ!
顔を背けながらも、ちょっと違和感を覚える。
それはちがう。あたしはクレーンゲームを頑張ってなんかない。
突然冷静になった。
「ちがうよ。クレーンゲームを頑張ったのは、ふうちゃんと池田くん」
「……ふうちゃん?(と池田?)」
それは宇宙よりどす黒い声。
耳に届いたのと同時に、あたしの頬を優しく伝っていたはずの指先は、がしっと頬をわしづかみにしていた。
「……いますぐそのレッサーパンダ、燃やせ」