【完】君に惚れた僕の負け。
「なんで?ぜったい嫌だよ!今日から一緒に寝るんだから……!」
「はー……。ああそう。ふうちゃんにもらったから、大事にすんのね」
「いや、ふうちゃんっていうか池田くんもだし、しかもそういうわけじゃなくて……」
ていうか、離して!
頬を掴む手をバシッと振り払った。
朱里くんはあたしを見下ろして、「あ」とひらめいたような声を出してから、片側の口角を上げる。
「それに似てるんだったら、俺が一緒に寝てあげようか?」
「え?……あぁっ!」
戸惑った一瞬であたしの腕の中からレッサーパンダは誘拐され、物置きの奥地へと監禁されてしまった。