【完】君に惚れた僕の負け。

「なんで?ぜったい嫌だよ!今日から一緒に寝るんだから……!」



「はー……。ああそう。ふうちゃんにもらったから、大事にすんのね」



「いや、ふうちゃんっていうか池田くんもだし、しかもそういうわけじゃなくて……」



ていうか、離して!



頬を掴む手をバシッと振り払った。



朱里くんはあたしを見下ろして、「あ」とひらめいたような声を出してから、片側の口角を上げる。




「それに似てるんだったら、俺が一緒に寝てあげようか?」


「え?……あぁっ!」



戸惑った一瞬であたしの腕の中からレッサーパンダは誘拐され、物置きの奥地へと監禁されてしまった。



< 199 / 421 >

この作品をシェア

pagetop