【完】君に惚れた僕の負け。
◇
拗ねてふて寝して起きたらもう夜になってた。
お祭りの屋台もラスト15分。
盛り上がってるだろうなぁ。
ヒナはいまごろ、池田くんと楽しんでるかな。
ふうちゃんのことは知らない。
朱里くんは、亜瑚ちゃんと……盛り上がってたりするのかな。
見たこともない亜瑚ちゃんと手を重ねる朱里くんを思い浮かべたら、またもやっとした。
「はぁー。もう……暇だなぁ」
切ないなぁ……。
お祭り行きたかったな。
ベランダに出て、外をみると交通整理もされてるみたいで歩行者天国には浴衣のひとがいっぱい。
帰っていく人がほとんどだ。
なんとなくスマホを見てみると、朱里くんからメッセージが入ってた。