【完】君に惚れた僕の負け。
ピピピピピピ……

耳元で大音量のアラームが鳴ったのを3回聞いて、俺は4度寝を観念した。


朝7時。

ベッドから起き上がり、頭を掻く。


「……ねむ」



夏休みっていうのは光速で過ぎて、カレンダーはもう8月。



重たい瞼をなんとか開ける。

とりあえず洗面台で顔を洗って、歯を磨いて。



それでもぼけーっとする頭でリビングに入った。



「おはよー。朱里くんのアイスも冷凍庫にあるよ」



起き掛けにアイスはいらない。そう心の中で返しとく。



早朝のコンビニから帰ってきたらしい恋々は、扇風機の前でアイスを食べている。



休日に早起きすることだけは、ずば抜けて能力高いよな?


だいたい休日って言うのは、溶けるほど寝るためにあるんだよ。




……なんだけど俺は、毎日必死で起きてんね。




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