【完】君に惚れた僕の負け。
空調の効いた過ごしやすい部屋でなお、扇風機にアイスって。



今日ってそんな暑いの?


最高気温を思わず調べた。36度。やっば。



恋々に目を移すと、Tシャツにショーパン。
無防備な白い手足、それから首元。


ため息まじりに恋々の隣に腰を下ろした。



「こんな格好で外出たの?」


「うん。すぐそこだしいいかなって」


「よくねーよ。やめとけ。恋々の異常な早起きは最悪朝帰りの酔っ払いと時間がかぶんだよ」


「え?」


「今度から俺のこと叩き起こして。ちゃんとついていくから」



って……聞いてんの?



大事な話してんのに溶けそうなアイスに気とられてんじゃねーよ。



「聞いてた?」



アイスを握る恋々の手を奪うように掴んだ。



「え?う。うん。わかった!」



慌てて答える口元、アイスを追うのに必死かよ。


そんな気になるなら
手伝いますよ。


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