【完】君に惚れた僕の負け。

――ちゅう。


まるでキスするみたいに、唇の端に口をつける。



もうアイスなんてどうでもいい。



放り投げて、押し倒したい。



このまま。その火照った顔、俺に見せて。



「朱里く、ん……っ!」



逃れようと一生懸命顔を背ける恋々。



逃がすわけないよね?



――だって全然抵抗しないじゃん。



「……ん、やだ」


「嘘つき。嫌じゃないくせに」


「……っ」



ほら言い返しもしない。



今ね、隙しかないよ、お前。


< 221 / 421 >

この作品をシェア

pagetop