【完】君に惚れた僕の負け。
――ちゅう。
まるでキスするみたいに、唇の端に口をつける。
もうアイスなんてどうでもいい。
放り投げて、押し倒したい。
このまま。その火照った顔、俺に見せて。
「朱里く、ん……っ!」
逃れようと一生懸命顔を背ける恋々。
逃がすわけないよね?
――だって全然抵抗しないじゃん。
「……ん、やだ」
「嘘つき。嫌じゃないくせに」
「……っ」
ほら言い返しもしない。
今ね、隙しかないよ、お前。