【完】君に惚れた僕の負け。
「どうした?」
「あ……きちゃだめ!」


こんなの見たら余計疲れちゃう!


そう言ったのに、朱里くんは遠慮なくキッチンを覗き込んだ。



「うわぁ……」

朱里くんは今さぞひきつった顔をしているんでしょうね。
あたしそっち見れない。


「あの、ごめんね……。今すぐ片づけてご飯つくるから……」


大急ぎでお米を集めて拾い上げる。


早くご飯にしてあげたいのに。


もう、なんであたしってこんなにポンコツなの。



あぁ果てしないお米。

絶望感が過ぎて、涙が少し浮かんだ時。


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