【完】君に惚れた僕の負け。

「……朱里くんってしっかり者なんだね」



お風呂のお湯の対応、あんなにあっさりとこなしちゃって、ちょっとびっくりした。


それにいつもこうやって、パーカー渡してくれたりだとか、さりげない気配り上手っていうのかな。


「俺のことしっかり者って思ってくれるんだ」


「うん」と大きくうなずいて続ける。


「もしかしてあたしよりしっかりしてるんじゃないの?」


褒めたつもりで言ったのに。



「は……? いまさら?」


そこにある朱里くんの表情は、なぜか愕然としたものだった。



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