【完】君に惚れた僕の負け。
悪魔のとがった角がついたカチューシャをつけて、でれっでれの客を何人もはべらす宇宙一頭悪い恋々に駆け寄った。


「恋々!」

「あー朱里くん」


ほわわーんと笑って俺を見上げてるけど。


「……この馬鹿」

「え、えぇー!?」



俺は恋々の腕を引いて、恋々のクラスの奥へと進んだ。


「あれ?恋々どうしたの?」


「ひ、ヒナぁ……」



俺は引きずり歩く足を止めて、“ヒナ”って人に「針と糸ってありますか?」と問う。


「うん……!あるよ!衣装のサイズ調節とかで使ったから」


察しのいい人なんだろう。

ささっと用意してくれた。



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