【完】君に惚れた僕の負け。
「なんでお前そんな服着てんの?」


「なんでって、さっきクラス見たでしょ?みんな似たようなの着てるの」


「こんなのを?」



胸元のリボンに手をかけると、あっさりとほどけた。


「……っ、や」


慌てて身を縮めて隠す恋々、馬鹿じゃないの?


「こんな姿誰かに見られていいの?」


「それは……」


「……俺は、ぜったいに嫌」



強く訴える俺の視線に、恋々の瞳が揺れる。



ぎりっと奥歯をかみしめた。



見せ物みたいに恋々を歩かせたやつとか、「お色気担当」とか言いやがったふうちゃんとか、まじで殺したいんだけど。



ていうか、そういう目で恋々をみたやつ全員ひねりつぶしたい。



< 271 / 421 >

この作品をシェア

pagetop