【完】君に惚れた僕の負け。
ほどけた黒色のリボン、挑発的な赤いその服。



――悪魔の極みだよね。



怒りと一緒に掻き立てられるのは、恋々が欲しいって思う強い衝動。



いつの間にか恋々の背中を壁に押し付けてた。



「……っ」



見開かれた恋々の目は怯えてる。


分かってる。
でも我慢が追い付かない。



自分の下唇をぐっと噛んで、噛んで。



溢れそうになる感情を押し殺す。




「……そんな恋々、誰にも見せないで」



白くて細い首に噛みつくようにキスマークを刻み付けた。



「っ、朱里く……ん」


ごく、と恋々の喉が動く。



唇を離して、何度も何度も触れるようにキスを落として。



そのたびに小さく震える恋々の体。



くちびるを離すと、恋々は熱っぽい吐息をはいた。



そんなとろけそうな顔……俺以外にはぜったいに許さないで。



心をかき乱すような独占欲が沸いて止まんない。



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