【完】君に惚れた僕の負け。
噛み切った糸の音と同時に、目を開く恋々の真っ赤な顔。
「……できた。あとはそのリボン、自分で結んで」
そう言いながら離れると、恋々はへなへなとその場にしゃがみこんだ。
縫い付けられた安全な服に手を添えて、
「……ありがとう」
って、俺をみる上目遣い。
……ほんと馬鹿。
「ねぇ、恋々」
俺は恋々の前にしゃがみ込んだ。
「首、隠すなよ」
「首?」
なにきょとんとしてんの。
忘れてんのかな?
「そのキスマークにせいぜい守られてなよ」
変な客よりつかせないで。
「キッ、そうだった……もう、なんてことするの……!」
慌てて首をこすりながら文句言ってるけど、もう遅いよ。
「そんなんで消えるわけないじゃん」
恋々は俺のもんって、決めてんの。