【完】君に惚れた僕の負け。
両頬に手を当てて、池田くんの答えを待つ。
「……それは、なんだろ、”こいつは俺のもの”とか……。ほかの男へのけん制とか。あとは……」
わわわ。そんなことを想いながら、池田くんは……。
やだもう、ヒナが真っ赤すぎて直視できないよ……!
「あとは勢いとか?その場の雰囲気にのまれてとか?なんとなくーってのが多くね?」
「ふうちゃんだけは最低」
一気に冷めたよ。
「でもそんな俺でも、好きな子以外につけたことねーよ」
ふうちゃんが隣に座るあたしを肘で小突いた。
「朱里くんは、360度どこから見ても恋々に惚れてるよ」