【完】君に惚れた僕の負け。
戻って早々、ヒナとモモちゃんに両腕を捕まえられて。


「何喋ったの!?」とヒナ。


「え?ううん。とくになにも」


困惑しながら答えると、モモちゃんが嬉しそうに表情を輝かせる。


「恋々、でかした。今の男子たちけっこうイケメンだったし、次に繋げてこう」


次につなげるってどういう意味だろう?
……ていうか


「イケメンだったの?」


「えぇー……!恋々の感性大丈夫?」



飛び上がりそうなモモちゃんに、同じく班員のヒナが「ノンノン」と首を横に振った。


「恋々はイケメン幼馴染が傍にいるからイケメンっていう判断基準が狂ってるんだよ」


「イケメン幼馴染ぃ!?なにそれ詳しく教えて!」


さっきからモモちゃんの勢いがすごい……。



朱里くんの特徴なんかをみんなに説明していたら、なんだかまた寂しくなってきたな。


……朱里くんが恋しいよ。


スマホを取り出して、朱里くんにメッセージを送信。


〈一人暮らし大丈夫?朱里くんは寂しくない?〉


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