【完】君に惚れた僕の負け。
いたずらっぽいその顔に、胸がきゅうっと痛くなる。
「流されないもん……」
ていうかあたし、好きな人いるんだから。
「ならいいけど」
PAPAマグに注がれたココアをふぅーっと冷ます横顔。
全部愛しい……。
恋っていいなぁ。
些細な日常が、一気にたのしくて幸せなものに変わるんだもん。
そう思うあたしは、甘いココアよりずっと、考えが甘かった。
◇
冬休みに入ってすぐ。
朱里くんは中学の友達と遊んでいるらしいけど、
あたしは高校の友達と丸一日遊び尽くした。
時が過ぎるのはあっという間で、気づけば夕方なんだから、びっくりだよ。
もう帰る時間だ。
「あたし、スーパーに寄ってから帰るね」
「あははっ、主婦!ばいばーい!」
友達に手を振って、夕暮れの道を一人で歩く。
朱里くんはさすがにまだ帰ってないかな。
今日はオムライスにしよう。
朱里くんの分だけでいいから今日こそ卵がうまくいきますように。
願いを込めながら卵パックをカゴに入れて、野菜もちょっと買い足して。
「流されないもん……」
ていうかあたし、好きな人いるんだから。
「ならいいけど」
PAPAマグに注がれたココアをふぅーっと冷ます横顔。
全部愛しい……。
恋っていいなぁ。
些細な日常が、一気にたのしくて幸せなものに変わるんだもん。
そう思うあたしは、甘いココアよりずっと、考えが甘かった。
◇
冬休みに入ってすぐ。
朱里くんは中学の友達と遊んでいるらしいけど、
あたしは高校の友達と丸一日遊び尽くした。
時が過ぎるのはあっという間で、気づけば夕方なんだから、びっくりだよ。
もう帰る時間だ。
「あたし、スーパーに寄ってから帰るね」
「あははっ、主婦!ばいばーい!」
友達に手を振って、夕暮れの道を一人で歩く。
朱里くんはさすがにまだ帰ってないかな。
今日はオムライスにしよう。
朱里くんの分だけでいいから今日こそ卵がうまくいきますように。
願いを込めながら卵パックをカゴに入れて、野菜もちょっと買い足して。