【完】君に惚れた僕の負け。
もうだめ、深呼吸しても、収まんない。



嫉妬でおかしくなりそう。




「朱里くん嫌だ……」



零れちゃった本音と一緒に、朱里くんの体を突き放した。



「……なんでいきなりキレんの?」



一瞬驚いた顔をした朱里くんはあたしの髪に手を伸ばした。



この手は、なんであたしに触れるんだろう?



朱里くんは亜瑚ちゃんって好きな人がいるのに。



頭撫でたり、ぎゅってしたり、もっと……今まで色んな事をあたしにしてきたよね。



それは全部からかいで、意味なんかないのに。


そんなものをどうしてあたしは受け入れてきたんだろう。


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