【完】君に惚れた僕の負け。
「赤面症ちゃん」
堪えきれなかったように笑いながら、指先であたしのほっぺをはじく。
「……からかわないで」
朱里くんといい、ふうちゃんといい、こういう女たらし男子の感覚がわからない。
あたしが赤面することのなにが面白いの?
「いい加減慣れればいいのに。恋々はかわいいねぇ~」
「……すぐ馬鹿にする」
「てか普通、ぎゅっとされてたら落ち着かない?」
「落ち着くわけないでしょ……!どういう感覚?」
信じられない。
いつだって心臓が乱れすぎてついうっかり止まりそうだよ。
「それって恋々が俺に心許してないってことだよねぇ。うわショック―」
意味がわからない。