【完】君に惚れた僕の負け。
まぁいい。気を取り直そう。


「やっぱ、クリスマスは好きな人と過ごしたいじゃん」


「うん」



「だから俺は今年、どこもいかない」



好きな人がいる家にいる。



「……え?」



さすがに気づいたのかな。


恋々は何か言いかけてから、言葉を飲み込んだ。




「意味わかる?」



「うん。……朱里くん、好きな人いなくなったの?」





思わずずっこけそうになった。



「ねぇそうなの?」



がばっと顔をあげた、そのアホ面。



そうだね、大大大不正解をあげる。



「いたっ!なんでデコピンするの!?」



「馬鹿だなぁーとおもったから」



「そんないい笑顔で言わないで!……でもそっか。好きな人いないんだ……」



なんでそんな喜んでんの。




恋愛沙汰のないフリー同士がいいってこと?



ナカヨシの幼馴染でいましょうねーってやつか。




本当に俺って脈なしだよね。



< 356 / 421 >

この作品をシェア

pagetop