【完】君に惚れた僕の負け。

そんな会話もあったことから、本日のクリスマスは朱里くんとカラオケに来ました。


「……早くなんか歌えば?」


「そ……そんな、恥ずかしい……」


「俺相手に照れててどうすんの」


「最初は緊張するから一緒に歌ってくれないかな……?」


「……だから、その顔ずるいんだって」



そう言いながら、朱里くんは近頃流行りの曲を入れてくれた。



……たしかにあたしたちは本気で歌ったの。


なのにこれはなに?


二人そろって眉根を寄せて画面を見入る。



【精密採点42点】



「よん……っ、これって100点満点の42点なの?」



画面を疑いたくなる。



音程も抑揚もどれもこれもケチつけられているなんて……。



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