【完】君に惚れた僕の負け。

「スイッチ入っちゃったから」



何のスイッチだろう。お掃除スイッチがついてるのかな。



「えっと……じゃあ、お願いします」


「うん」


朱里くんへのクリスマスプレゼントは洗剤のほうが嬉しかったかな。


決めた。来年のクリスマスプレゼントは洗剤にしよう。


そう思いながらリビングに入る。


……っ、何このキッチン!?


輝きすぎて眩しいシンクに、ほこり一つない換気扇!


調理器具もかつてみたことないほど綺麗に片づけられている。



「はぁ……さすがだ」


あまりに綺麗だから、お湯をわかすのさえもやりづらいよ。


この執念のような大掃除は夕方ごろ終わって、夕飯もすませた。


あとは年を越すだけ。


「おつかれぇー」

「おつかれ」


PAPAマグとMAMAマグで緑茶を乾杯。


……こんなに平凡だったのに。



それは、ソファに並んで特番を見ていた時だった。



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