【完】君に惚れた僕の負け。

(SIDE朱里)


『大丈夫、なんも変わんねーよ』


恋々に言いながら、自分に言い聞かせてた。


動揺を隠しきることに精いっぱいのような年越しだった。


そして、明くる朝。



……一睡もできなかったよ。



恋々も朝方まで寝れなかったのか、朝9時起きなんて寝坊っぷり。


「あけましておめでとう……」


覇気のない新年のあいさつが聞こえて顔をあげれば、はれぼったい目をした恋々が固い笑みを見せる。




わかるよ。俺だって寂しいよ。


でも落ち込んでも仕方ないから。


精いっぱい毒づいてやるよ。


「辛気くせー。景気づけに初詣いこーぜ。恋々おみくじ好きじゃん」



「今ひいたら、凶がでそう……」


「そしたら指さして笑ってあげる」


「……もう。着替えてくる」


「朝ごはんは?」


「……食欲ない」



とか言って屋台で食うパターンだろ。
わかってんだよ。

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