【完】君に惚れた僕の負け。
「え? 知り合い? てか男かよ。つまんな」


つまらなそうに踵を返したふうちゃんの後を追おうとしたとき。



「恋々」



名前を呼ばれて振り返ったら。



「朱里くん」



なんだろう?



声を待ってるのに、何も言ってこない。代わりに輪を抜けてこっちへ歩いてきた。



「恋々……それ誰」



え?って耳を寄せたくなるほど小さい声だった。



「えと、この人は去年からのクラスメイトのふうちゃん。で、こちらは今朝言ってた幼馴染の朱里くんだよ」


「はじめましてー! 恋々の幼馴染って君かー。確かにイケメン」


「朱里くんすごいモテるね」



あたし、棒読みだよ。



うらやましがってなんかないよ。断じて、ないよ。


「それ……誰?」


朱里くん、なんでまた同じ質問するの?



「だから、この人は」


と言いかけた時
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