【完】君に惚れた僕の負け。



翌朝、朱里くんのいない部屋は、人数が増えて荷物も増えたのにすごく寂しい。


ため息をつきながらキッチンに行くと、ママが鼻歌を歌っていた。


「何度見てもキッチン綺麗ねぇ~。引っ越す前よりきれい。見違えたわね」


「それね、朱里くんが磨いたから……」


「本当に朱里くんがいて助かったわぁ」



優雅に紅茶を飲むママの手元を見てぎょっとした。


「マママママ、MAMAマグ使ってる!」


こんなのペアで買ったのばれちゃったの!?


うっかりしてた。仕舞うの忘れてたぁ……!



なんて言い訳しよう!?


頭を高速回転させる。

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