【完】君に惚れた僕の負け。
すると、ママが口を開いた。


「これちょうどいいサイズね。ありがとう。恋々が一目ぼれしてママとパパに買ってくれたんだって?朱里くんレポに書いてあったわよ」


「あ……うん、そうそう。そうなの。実はそう」


「嬉しいわぁ~」


目を細めるママにへらりと笑顔を向けながら、朱里くんの根回しの速さを実感した。


……ていうか、関心するよ。


「……朱里くんって完璧な人だよね」


「何言ってるの今さら。そんなの恋々が一番良く知ってるでしょ」



「うん……」


とかいって、本当は同居するまで気づいていなかったけど。


むしろあたしの方がしっかり者だと当たり前のように思っていたというか……。


一緒に住んでみたら、まいりましたぁ!ってくらい、頼もしかった。


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