【完】君に惚れた僕の負け。

「朱里くん……顔赤いね」


「恋々も人のこと言えねーから」



つーかこんなの恥ずかしいに決まってんじゃん。


そんで嬉しいに決まってんじゃん。


赤くなんのは普通なの。



「恋々言ったよな。結婚してって」


「うん……、言った」


「逆プロポーズ」


「……っ、すぐバカにする……」


「いいよ。大きくなったら結婚しようね」



「もう!茶化してるでしょ!」



「茶化してねーよ」


まじだし。


「でもいつかこっちからプロポーズさせて」



「……え」



火照った顔、うっとりとした目で見上げる恋々の頬に手を添える。


恋々は鈍感てビョーキだけど。

……俺ね、恋々しか見えない病気。



くちびるを近づけると、恋々はぎゅっと目を閉じた。



キス待ちの顔……可愛すぎか。



――ちゅ。



触れ合うだけのキスでこんなに心臓がおかしくなることってあるんだね。

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