【完】君に惚れた僕の負け。
「朱里くん早いね」
「休日の早起きは癖になってんの」
「ふふ」
自然につながれる手と手。
「誕生日おめでとう、朱里くん!」
「どーも」
「もう17歳なんだねぇ」
と空を仰ぐ恋々につられて、見上げる澄んだ青。桜吹雪。
……17年もそばにいるんだなって、感慨深く桜色の道を並んで歩く。
「今年はあたし受験生かぁ。あんまり遊べなかったらごめんね」
「わかってる」
「朱里くんたち二年生は修学旅行とか、楽しいことでいっぱいになるよ。テストも困ったら教えてあげるからね」
はいはい、きました先輩風。