【完】君に惚れた僕の負け。
なにって、
「南京錠……」



「いや、これどうみても手錠じゃん。どうしたら間違うの?」



「あっ!南京錠って手錠じゃないね……!間違えたぁ!」



目からうろこ!



錠間違えっていうのかな?



「ば……ばかすぎて引いた」



大きな目、開きすぎて目がおっこちそうだよ朱里くん……。



本当に引いているのか、固まって微動だにしない。



「あの、ごめん。南京錠かぁ。今思い当たった。鍵のことね……!」



「そう……おじさんに聞いて脱衣所に鍵つける許可もらったんだけど」



「そういうことかぁ、なるほど。手錠なんて何に使うのかなって思ったんだよね」



定価二千円のそれを手のひらに乗せてみる。



結構重くて結構リアル。



「たいほー」



――がっちゃん。



朱里くんの片手に手錠をかけてやった!




「あはは。覗きの罪でつかまったぁ」


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