【完】君に惚れた僕の負け。
「片手じゃいくらでも動けんだけど。無能ポリス」



――がちゃん。



もう片方の手錠をあたしにかけられた。



「え。なにしてんの、朱里くん」



「逮捕?」



「そうじゃなくて、ひぁっ」



ソファに座らさせたあたしは、朱里くんと手錠で繋がれたまま。



コテン、とあたしの肩に朱里くんの頭がのっかった。



「んなっ。もっとそっちいってよ」



「だって手錠がね」



「もー、これ早く外して。鍵はどこ?」



「俺は知らないけど」



「え!?」




ソファから飛び降りて、朱里くんの手を引っ張りながらビニール袋や床なんかを探すんだけど、どこにもない!


入ってなかったんだ……!



「どうしよう!不良品だ……!」



「俺は別にこのままでもいいけど」



な、なんで距離詰めるの!


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