【完】君に惚れた僕の負け。

……熱い。間違いなく、真っ赤だあたし。



「……や、なに……?」


至近距離で向かい合った朱里くん。
顔をそむけるけど、両手は掴まれているし。



「朱里く……」



少し動かしてもかちゃ、かちゃ……と手錠の金属音がするだけ。



抵抗なんてできないくらい、心臓がうるさくて、いっぱいで。



「恋々」



耳元で、そんな甘ったるい声は、余計に。



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