【完】君に惚れた僕の負け。
初夏の快晴。窓全開で空気を入れ替える朝が好き。
「朱里くんは部活はいらないの?」
「入んない」
「へぇ。スポーツ好きなのに?」
「俺は部活より家が好きなの」
コトン。朱里くん特製朝食のコンソメスープを置いた彼。
何かコメントでも待つかのように、まっすぐ見つめてくるのは何?
「家が好きって朱里くんひきこもりみたいだね」
「……、はぁ?」
ふぅーっと冷ましてスープを口に運ぶ。
「おいしい~っ」
ほっぺに片手をあてて思わずにっこりしちゃうあたしをみながら、冷めた声で朱里くんは言う。
「で、あの冷蔵庫の尋常じゃない量の食糧ってなんなの?」
「昨日スーパーで買って来たんだよ」
ママの電動自転車使ったらすっごい楽だった~!
「量がいちいち頭おかしいんだよ。ビッグダディも言葉を失うわ」
へ?