【完】君に惚れた僕の負け。
「ねぇ朱里くん。明日休みだし、DVDでも借りに行かない?」
「ホラーならいいよ」
「えっ、なんで?」
きゃあーとか言って、俺にしがみついてくれるかなって、昔みたいに。
そういう可愛い恋々が、
「好きだから」
「えー、ホラーなんていつから好きになったの? あたし恋愛ものがいいのになぁ」
「それは駄目」
興味ないし煩悩が沸いてきそうだから、ぜったい駄目。
「男の子って恋愛ものきらいな人多いもんねぇ」
"男の子って"。
そのサンプルはふうちゃん?池田君?
恋々の周りにいる俺以外の男、溶ければいいのに。