【完】君に惚れた僕の負け。
マンションのエントランスにはいって、エレベーターが来るのをまつ。



――ポーン。



ゆっくりと開いた扉の向こうは。



大学生と思しき男女が深い方のキスをしていて……。おえ。



「あっ、ごめんなさい!」



女の人が恥ずかしそうにペコペコお辞儀して、男と笑いあいながら出て行った。


隣に目を落とすと、恋々が口をあんぐり開けたまま固まっている。



目の前でドアが閉まった。



「おい恋々、エレベーター見送っちゃったんですけど」


「あ・いや、びっくりしたから……」



ぽぽぽっと火照るその頬。かわいすぎ。


「カップルってすごいんだね……あんなことするんだ」



小学生みたいな感想だな。


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